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スタッフ紹介 サウンドエンジニア ・森本桂一郎

2019年7月17日

― 森本さんは、やはり昔から音に興味があったのですか?

「そうですね。少年時代に最初にアルバイトをしたときも、その給料を全部つぎ込んでちょっと高めのステレオを買った記憶があります」

― ”音に対する興味”と、”音を扱う機械に対する興味”の両方があった?

「そうだったかも知れません。その頃はこういう(音関係の)職業につこうとは全く思ってませんでしたけど」

― 職業として意識したのは?

「専門学校を選んだ時ですね。映画の録音コースがある学校に進学した時に」

― 音楽もお好きだったかと思うんですけど、映像の音の方に進んだのは何故ですか?

「『人間』を描く映像の仕事に魅力を感じていました」

ー サウンドの人は「音の良し悪し」を判断する能力をいつ習得するのでしょうか? 映像は目に見える分、まだ感覚の共有が分かりやすい気がするんです。対象が可視化されていることのアドヴァンテ ージはやはり大きい。映像畑で育った人間からするとサウンド畑の人々の技術習得が凄く神秘的に見える面があるのですが、やはり最初からもう全ての音を聞き取れて良し悪しが分かったとか?

「まああんまりそれについて深く考えた事はないんですけど(笑)そこはやはり経験の積み重ねだと思いますよ。ちゃんとした音を聞いていて、もしNGがあった場合に対処していく…というのを繰り返してゆくうちにだんだん判断できるようになってくるんじゃないかと 思います。」

ー なるほど。 あとサウンドの人って数字で会話しますよね?この音は何キロヘルツがちょっと足りないとか。あれが凄くプロっぽくてカッコよく聞こえるんですけど(笑)、やはりそういうのも経験で分かるようになるものですか?

「そうですね、経験での習得が大きいと思います。あと、今は音もパソコン作業がメインなので、より数字での管理が増えたという事もあると思います」

ー ああ、音を数字で把握する傾向が昔のアナログ時代より強いと

「ただ数字ばかりに頼ってしまうと間違いが起きやすいので、耳で聞いての判断が重要です」

ー 森本さんはキャリアの中でテレビと映画の両方をやってこられてますよね?その二つの音作りの違いって端的にありますか?

「テレビでは、音が溢れている家庭環境の中でも届く様に。映画は劇場の静かな環境を生かすことを考えて作る傾向があると思います。
どちらも、『表現していることが伝わるように』という点では同じ想いだと思います」

ー 近年は黒澤明など旧作のリマスターに携わられてますけど、それについては如何でしょ う?

「 『昔の映画は音が良くない』というような偏見が一部にあると思うのですが、『そんな事はないのでは』と以前から思っていました。保存状態が良くない、再現できていないという事はあると思いますが。
今残っている音源の劣化している箇所を修復してその上で当時の再生環境を想定し落としこんでいくと音が蘇ってくるんです。」

ー まるで遺跡発掘的な…

「はい(笑)」

ー 本当に古い作品だと、役者さんのセリフとか音楽とかもダイレクトに光学録音してますよね。

「そうですね。当時の録音スタッフの素晴らしい技術が垣間見えます.。」

ー 映像もそうですけど、音も時代に合わせて再生環境がどんどん変わってゆきますよ ね?そのことの影響ってサウンドエンジニアリングにあると思います?

「んーどうでしょうかね、実はあまり変わらないんじゃないでしょうか、伝えたいことというのは。 それよりも観る側の環境が変わった事の方が大きいと思います。」

ー と、言いますと?

「CD等デジタル媒体の登場以降、みんな『ノイズレス』を当たり前に思うようになった。そういう人にとって、古いテープとかレコード的なものってもう…」

ー ああ、単に雑音にしか聞こえないと。

「もちろん、デジタル環境になって完全に『無音』から音を作れるようになったのは非常に恩恵ではあるんです、エンジニアリング的には。」

ー コントロールできないノイズから解放されたわけですものね。

「ただ、ノイズレスなものだけで作っても、やはりどこか面白くない。なので、適度にノイズも愛してあげたい、というのはありますね。」

ー ノイズも愛してあげたい!いいセリフですね~(笑)
ところで森本さんはJAZZのレコードを聴くのがお好きと聞いてますが

「ええ、まあ50年代から60年代にかけてのものとかですね。」

ー かなり熱心にレコードを集められたのですか?

「今はそうでもないですけど…これがですね、つい『当時はどんな再生環境だったんだろ う?』とか調べちゃったりするんですよ(笑)」

ー 仕事と同じじゃないですか(笑)良いエピソードをありがとうございます(笑)

という訳でサウンドエンジニアの森本さんでした、ありがとうございました!

(東京現像所Facebook記事より転載)

 

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